
世界はどんどん小さくなっている。今や開業医や勤務医が海外の学会に参加することも珍しいことではなくなり、昨春には米国内科学会(ACP)の日本支部も設立された。

また遅れていた
EBMの概念も我が国でも徐々に普及してきて、最近では脳梗塞や胃潰瘍、気道感染症診療の
EBMに基づいたガイドラインが各学会から発表され、グローバルスタンダードの医療に近づく努力が顕著になってきた。

神経芽細胞腫マススクリーニング検査が科学的根拠に乏しいとして退けられたのも象徴的であろう。さらにインターネットの普及により、我々プライマリケア医が海外の
EBMに根ざした医療、グローバルスタンダードの医療に近づくことも容易になった。

しかし一方で我々の身の回りには今でも旧態然とした慣習的な医療が残っていて、効果があるのかないのか分からない治療法や検診が漫然と行われていたり、たちの悪いことに医療者にもそのことが認識されていないということが往々にしてある。

インターネットの普及は医療者にとって福音であったばかりでなく、患者の側にもインターネットで知識を得てから医療機関を訪れるという新しい傾向を産み出した。

患者の方が診察した医師よりグローバルスタンダードの医療に詳しかったなどということも今や笑い話ではない。

私たちプライマリケア医がグローバルスタンダードの医療を常に学び、理解しておく必要がある所以である。

今特集号ではグローバルスタンダードの医療に詳しい第一線の先生方に執筆をお願いし、プライマリケア医が遭遇しやすい幾つかの項目に限って論じて頂いた。読者の皆様のグローバルスタンダードの医療の知識の再確認にお役に立てば幸いである。

[編集] 医療法人 前田内科医院(埼玉県) 前田賢司