
5月26日から30日まで黒川清先生(会長、組織委員長)のもと京都で開催された第26回国際内科学会議が無事終了した。

この国際会議には多くの内科専門医が参加、その一助を担ったという点で内科専門医会の歴史に残る意義深いものとなった。

また、内科専門医会はこの国際会議で初めて専門医会を知らしめるためのブースを出し、広報活動も行った。

この国際会議のテーマは『Global Physicians Network〜A Challenge for the New Century』というもので、文字通り21世紀に於ける世界的な規模での内科医のネットワーク作りが提唱されている。

ネットワークという点では既にML1、ML2で国内のネットワークを構築しつつ、また国際的にも米国のACP-ASIM(米国内科専門医会/米国内科学会)等との連携を深めている内科専門医会は、その意味でも21世紀の医療を担うに相応しい象徴的な存在だと言えば自画自賛が過ぎるだろうか。

21世紀の医療のキーワードについて言えば、グローバリゼーションと共に疾病構造の変化が挙げられる。いわゆる生活習慣病の台頭である。

生活習慣病の是正には生活の指導が必要不可欠であり、これからは患者とのコミュニケーションがなお一層求められよう。

そのような折りも折り、内科専門医会の中では今、石橋新会長のもとで新たなプロジェクト「患者コミュニケーション」のワーキング・グループが動き出した。

今まで学会の中だけの活動に軸足を置いていた専門医会が外に向かって発信する糸口をつかんだという意義は大きい。具体的にはこのワーキング・グループには「健康教育プロジェクト」と「インフォームド・コンセント・プロジェクト」の2つの柱がある。

成果が出るのはまだ少し先になるが、将来の内科専門医会の看板事業の一つになることは間違いないと思われる。

一方、米国ではちょうどACP-ASIM(米国内科専門医会/米国内科学会)が、新たに設立したACP-ASIM Foundationという基金を通じて10年計画で「健康コミュニケーション(Health Communication)」を推し進めることを発表したところである。

10月にはワシントンの国立科学アカデミーで大規模な健康コミュニケーション会議も催される。

また、既にこの5月から国立医学図書館との共同事業でMEDLINEplusを使った患者教育のプロジェクト、the Health Information Referral Project (HIRP)のパイロット・スタデイが始められている。

一般のACP-ASIMの会員がこのHIRPのプロジェクトに参加出来るのは来年初めが予定されている。偶然とは言え、同じ発想のプロジェクトが同じ時期に東西で図られたことは意義深い。

なお、ACP-ASIMではこれらのプロジェクトと別に今春から「PIER (ピア/Physicians' Information and Education Resource)」という名の医師向け(ACP-ASIM会員向け)のインターネットによる情報提供ツールを開始したが、これにも患者向け情報が織り込まれている。

ますます小さくなっていく世界、その世界の医療と連携しながら独自の道を模索する内科専門医会の果たす役割はこれからも増大しこそすれ、小さくなることはないであろう。

内科専門医会が21世紀の医療の構築に更なる貢献をしつつ、ますます発展・充実することを願ってやまない。