
「がん」の検診について有効かどうかの判定は、1)早期に発見できる、2)早期に治療できる、3)その結果生存率が延びる(長く生きられる)、の3つが決め手と言われています。

まずPETで早期の「がん」が見つかるかどうかですが、よく「5mmのがんでも見つかる」と宣伝されていますが実際はどうでしょうか。
実は確かに5mmの「がん」が見つかることはあるのですが、もっと大きな「がん」が見つからないこともあるのです。G6Paseという酵素の多い「がん」ではブドウ糖が排出されてしまうので、ある程度大きくならないと写りにくく(肝臓がん、腎臓がん)、また糖代謝の少ない「がん」は写りにくいと言われています。粘液が貯留するタイプの「がん」、壊死が多い「がん」も見つかりにくい(のう胞性卵巣がん、胃のスキルス型の「がん」、肺胞上皮がん等々)と言われています。また糖が生理的に集まる部分(脳、胃や膀胱)に生じる「がん」も集積した像が重なりますから分かりにくい(脳腫瘍、膀胱がん、前立腺がん、胃がん等々)という欠点があります。また、炎症がある部分にも糖が集まりますので炎症と区別がつきにくいという欠点もあります。

これでPET検診で
すべての「がん」が必ずしも早期に発見できるわけではないことがお分かりいただけたでしょうか。2)の早期治療も 1)の早期発見が出来なければ不可能です。

3)の生存率が延びるかどうか(検診したことにより長く生きられるかどうか)についても実はまったく分かっていません。
米国の国立のがん研究機関NCIでもPET検診は勧めていません。世界的にがんの早期発見目的でPET検診が行われている国はありません。